2007年10月20日

"CINEMA DIFFERENT " とデュラス

今年9回目を迎える「パリ、シネマ・ディフェラン映画祭」は、12月4日から9日にかけて、「ポートレート」をテーマに開催されます。
http://www.cjcinema.org/htm/festival/index.html

amkyで紹介しているDVD「CINEMA DIFFERENT vol.1」(COLLECTIF JEUNE CINEMA/lowave)は、2001年から2003年の映画祭で上映された10作品のコンピレーションです。
http://amky.org/japanese/works/index.html


「シネマ・ディフェラン映画祭」は1999年からの開催されていますが、この映画祭のディレクターのマルセル・マゼ氏によって、「シネマ・ディフェラン」は、1971年に彼が始めた実験映画配給組織「COLLECTIF JEUNE CINEMA」とともに既に1970年代から活動を開始していました。
コートダジュールの西端のイエールという町で開催されていたイエール映画祭に毎年プログラムを組み、「シネマ・ディフェラン」(1976-1980) という雑誌も出版していました。

11月25日に川崎市市民ミュージアムで飯村隆彦氏が上演するレクチャー/パフォーマンス「見ること/聞くことの構造」(初演、1983年)の原型とも言えるフィルム・パフォーマンス「トーキング・ピクチャー(映画を見ることの構造)」は、1982(3?)年にこのイエールの映画祭で上演されています。
http://www.kawasaki-museum.jp/display/exhibition/art.html

数年前、パリでマゼ氏にお会いした時に、イエール映画祭では、マルグリット・デュラスの短編映画も上映し、パネルに参加していたデュラスの眼鏡を彼女のファンが捕っていったという話しを聞かせてくれました。

雑誌「シネマ・ディフェラン」には、マグリット・デュラス、ドミニク・ノゲーズ氏も寄稿していたようです。

『ヴェネチア時代の彼女の名前』をはじめデュラスの映画に惹かれている私には、興味あるつながりです。

ちょうどその頃でしょうか、ドミニク・ノゲーズ氏がマグリット・デュラスをインタビュー (1983年)したものが、1冊の本にまとめられ、日本語訳でも出版されています。
「デュラス、映画を語る (LA COULEUR DES MOTS)」(みすず書房、2003年)

小説家、映画批評家で、「実験映画の称賛」(ポンピドウセンター、1979年/EDITIONS PARIS EXSPERIMENTAL、1999年)の著書もあるノゲーズ氏は、

「映画を掻き乱し、前進させる別の種類の映画監督も存在する。実験映画の監督であるが、彼らは、むかしから、あらゆる過ちをおかしている。デュラスは、ときに彼らに合流しているが、彼らと同一視されることを嫌っている。それは、彼らが形式にたいへん傾注しており、そこにおいて果てしなく果敢だが、意味作用においてはほとんどそうではないからだ。彼女のほうは、意味作用の映画監督にふみとどまっている。彼女は、そうした涜聖を犯すとともに、しだいに脅かされつつある悦びを私たちに与えてくれる自由な監督である。すなわち、映像の力をまったく犠牲にすることなく、映画館に文学言語の美徳を輝かせること。文学の映画をつくること。」(「デュラス、映画を語る 」)

と書いています。

実験映画とデュラスの映画が交差した「シネマ・ディフェラン」。

DVD「CINEMA DIFFERENT vol.1」も独特の映像のテイストが味わえる一本です。
http://amky.org/japanese/works/index.html
posted by amky at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | pickup
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