2007年10月11日

「ヴィデオ・アートの初期形態」

9月10日に発行された日本近現代美術史事典(多木浩二/藤枝晃雄監修、東京書籍)に、飯村隆彦氏が「ヴィデオ・アートの初期形態」について執筆しています。

この事典は、「江戸後期から現在にいたるまでの日本美術を包括的」に扱い、「歴史を連続的に捉えるのではなく、そこに断絶する非連続性のあるのを了解しながら」、ひとつのまとまりとしての「近現代」を視野に、日本の美術の「近現代性の吟味」を求める時代の要求にそう、新たな展望をもって編集されています。

また、歴史編、事項・テーマ編(I日本近現代美術『前史」、II 美術:作品と運動、III美術:理論/メディア/制度、IV 美術:社会の中の美術)、用語編、資料編という構成になっています。

近現代美術において、写真に続く後発メディアのフィルム、ヴィデオ・アートは、どのように位置づけられるのでしょうか。

「ヴィデオ・アートの初期形態」(II 美術:作品と運動の [芸術とテクノロジー] の項目)の中で、飯村氏は、「最近のデジタル化とメディア・アートへの関心から、ヴィデオ・アートがほとんど忘れかけていること」を強調しています。

「ヴィデオ・アートが現代美術に及ぼした影響として、その最も大きいものは、ヴィデオ以前に写真がそうだったように、ヴィデオという動く映像もまた現代美術のひとつであるという認識である。」

「ヴィデオ・アートが歴史的に遺るとすれが、その技術も含めた、アートにとっての新しいコンセプトと経験があったはずであり、そこにこそ注目しなければならない。」

ヴィデオ・アートの歴史を検証していくには、劣化が眼に見えている、ヴィデオ・テープのデジタル化など恒久的メディアの変換と初期作品のアーカイブ化、そして後からきた世代の作品へのアクセスが確保されることが望まれます。


posted by amky at 10:27| Comment(0) | TrackBack(0) | pickup
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