2007年10月10日

レビュー、 DVD「おんなのさくひん」

DVD「おんなのさくひん」(出光真子)に、瀧健太郎氏(ヴィデオアーティスト/VCT代表)がレビューを寄せて下さいました。

DVDwhatawomanmade


<ひとりの女性の、そしてヴィデオ の視点を凝縮した時間>

 しばらくの間、出光真子作品を見る機会から私を遠ざけていたものは、彼女の作品そのものではなく「ジェンダーもの」としてだけ括られていたある種の偏った評価 だったのかも知れない。

 実際に作品に触れてみると、性差別を超えた他者性の問題、現代人の余暇と浪費、芸術表現とその無理解、そして当時のアメリカ西海岸と日本国内の特有の雰囲気をパッケージした時世学の視点など、様々な問題を含んでおり非常に興味深い。

 当初フィルムから出発した彼女の制作は、70年代にヴィデオと出会い、フィルムとヴィデオの映像の質感を差異化のためヴィデオ特有の方法論を模索した。フィルムに比べてヴィデオ映像にはある種のツマラナさがあることに気づいた出光は、単なる記録としてのヴィデオではなく、画面内に客観的に見る眼としてテレビ・モニターを登場させる方法を思いつく。いわゆる「マコスタイル」と呼ばれる方法で、本DVD収録作品「主婦の1日」からその使用が始まっている。 

 作品で扱われる問題は確かに主婦としての、母としての、表現者としての等身大の作者自身の視点であるが、人間の生理現象、母性と父性、制度化された生活時間、といった誰しもに当てはま る大きなテーマとして受け取ることができる。ネット上などで垂れ流しにされている時代に、こうしたヴィデオアートの試みは今一度評価される必要があるだろう。その中でも出光真子は長きに渡り一貫して一つのテーマに沿って不可視の可視化を試みた作家であり、このDVD作品はその入門編とも言える。

瀧健太郎

>>> DVD「おんなのさくひん」(出光真子)
http://amky.org/japanese/shop/woman.html
posted by amky at 07:46| Comment(0) | TrackBack(0) | review
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