2008年04月16日

「日本からブラジルへ、ブラジルから日本へ。」

ロベルト・マクスウェル氏(ヴィデオ・アーティスト、ジャーナリスト)が、「ブラジルから来たおじいちゃん」(栗原奈名子)にレビューを寄せて下さいました。

http://amky.org/senhordobrasil
http://amky.org/senhordobrasil/words2.html
「日本からブラジルへ、ブラジルから日本へ。これは、日本人移民とデカセギのブラジル人が国境を越えて生きてきた100年の歴史である。

 両者はこの100年の歴史を共有している。だがしかし、人々がこの歴史について語る時、日本人移民は日本人移民、デカセギのブラジル人はデカセギのブラジル人、というように両者の歴史はつながりをもたないものとして、きわめて表面的な形で語られてきた。本来相互のつながりをもつはずのこの両者の歴史が、それぞれ別々のものとして、切断されたまま伝えられてきた。

 日本人移民とデカセギのブラジル人、また、日本とブラジルは、時間的にも空間的にもかけ離れているが、今回ドキュメンタリー作品を完成させた栗原奈名子さんは、一人の人物を介して両者の間につながりを持たせようと、『ブラジルから来たおじいちゃん』を制作してきた。「おじいちゃん」こと紺野堅一さんは、日本からブラジルに移住して72年、現在92歳の人物である。栗原さんは、この紺野さんの旅に同行した。ブラジルから自分の故郷である日本へ、紺野さんは旅に出たわけであるが、それは自分の過去にアイデンティティを求めるためではなく、日本に住むデカセギのブラジル人の未来を共に考えるためである。栗原さんは感傷を誘う物語に訴えず、生きることの大切さを紺野さんから学び、人々に伝えようとする。私たちよりもずっと以前に国境を越えた状況を生き抜いてきた者の人生から、学ぶべきことは数多くある。

『ブラジルから来たおじいちゃん』は、日本とブラジルの100年の歴史を考える人たちにとって見逃すことのできない作品となっている。」

ロベルト・マクスウェル(ヴィデオ・アーティスト、ジャーナリスト)
(訳:山本利彦)

http://amky.org/senhordobrasil/words2.html
posted by amky at 00:58| Comment(0) | TrackBack(0) | review
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